イエローナイフは朝

それが人生

本を買うのが下手なのを直したい

お題「やめたいこと」

 

本を買うのが下手だ。

本は良い。漫画はもちろん大好きだし、小説も好きだ。画集もついつい買ったりするし、雑誌も時々見ると面白い。美容院で暇つぶしくらいにしか見ないんだけど、あれって色んな特集載ってるよね。グルメ情報とか占いとか季節のお出かけスポットとか。これ何?服の雑誌?

本はタブレットでも読めるようになったけど、やっぱり紙媒体が好きだ。画面は目が疲れるし、昔からの紙の触り心地が良い。ページを捲る音とか、紙それぞれの匂いとか、装丁とか、次のページに行った時の見開きの表現とか、とにかく紙は良い。

 

その中でも、漫画は特によく買う。

休みの日に出かけた日はとりあえず本屋に寄るし、好きな漫画の発売日には必ず本屋に行くし、新しい土地に行ったらまずどこに本屋があるか探す。

集めてる種類も多いから新巻が出る時期には5、6冊くらいまとめて買う。好きな本は発売日を調べておくし、Amazonの検索履歴からおすすめされる一覧は全部漫画の新巻ばかりだ。助かります。

でも、やっぱり本屋自体が好きだ。本屋によって並べ方も違うし、推してる作品も違うし、その本屋の特徴っていうのが出る。マイナーな作品もちゃんと置いてあると「幅広く手出してるなぁ」って思うし、駅の中にある小さな本屋には旬のものしか置いてなかったりするから、今のトレンドがわかりやすい。紀伊国屋とかジュンク堂みたいな大きな書店では画集とかも置いてあるから、そういうところをふらふらしてぱらぱら捲るだけで楽しい。店員さんが書いたポップを見て「この人もこの本好きなんだな」って思ったり、作者のサイン入り色紙が飾ってあるのを眺めたりするのも好きだ。それぞれの本屋に空気があるし、その違いを味わうのが好きだ。

 

でも、少し困ってるのが、本屋での買い物の仕方だ。

本が好きだから、本屋に行って買う時にある程度の量を必ず買ってしまう。

例えば、好きな漫画の新巻が出たから本屋に行く。目当ての本を一冊取ったら、そのままレジに行くことができない。何故か自分は昔から「漫画は三冊以上まとめて買う」という謎ルールを無意識で設けていて、一冊でレジに持って行ったことがほとんどない。少なくても二冊、大体は三冊くらい買う。目当ての本を一冊と、前から気になってた本だったり、最近続きを買ってない本の続きだったり、電車で出かける前や美容院に行く時に読む用に買うのをとっておいた本を買う(これ私以外の人もやるんですかね)。大体は漫画だけど、どうしても漫画で買いたい本がなかったら小説を買う。

なんというか、一種の強迫観念のレベルに達していて、とにかく一冊で本を買えない。

 

学生時代にアルバイトを始めてからこの傾向は顕著になって、そのせいで冗談抜きに本で床が抜けそうになってしまう。なので、ある程度溜まると、「この本は一生手元に置いておいて読むものか?」と分別を始める。そして大体100冊前後くらいの単位で売ってる。そうしないと本棚に到底収まりきらない。

今の会社に入ってから、本棚に本が入らないことを同僚に話したら、日曜大工が得意な同僚が家に来てオーダーメイドで本棚を作ってくれた。天井までぴったりくっつく背の高さで、以前のように床に本のタワーがいくつもそびえることはなくなった。ありがたい。

 

いい加減いい年になってきたので、そういう衝動買いみたいなのはやめようと思い、最近は買う前に心の中で「これを買ってずっと手元に置いておくのか?あの本棚にレギュラー入りするか?お前絶対今だけ読みたいだけだろ?」と問いかけるようにしている。本屋に来る他の人は当たり前のようにできるのかもしれないけど、これが最近になってようやくできるようになってきた。昔よりも売る冊数は大幅に減ったし、とりあえず部屋の床は抜けてない。

 

昨日の夜突然思い立って大掃除をしてたら、もう随分読んでない漫画があったので売ることにした。なるべくなら買ってずっと手元に置いておけるような、物を大事にする人になりたいんだけど、でも色んな本に出会いたいし「読んでみたい」と思った気持ちを大切にしたいし、そう思わせた作者にそのお金がいくなら素敵なことだし、もっと色んな話を色んな人に描いて欲しいという気持ちもある。だから買うことを制限することが全て良いことではないかもしれないけど。これはまた別の話だね。

 

まぁ、読みたいと思わせる本が多いっていうことは良いことだし、文字は好きだ。でも、本来の自分のペースで本を買いたい。そして、一冊一冊を大切にして、どれも手離せないほど大切だって言い切りたい。そんな本に囲まれて暮らしたい。

今日もきっと帰りに本屋に寄る。馴染みの本屋で、昨日も見たいつもの新刊コーナーをチェックして、しばらくふらふらすると思う。それが楽しい。